2003-2004年度会長報告
第2904回例会会長あいさつ 2003年11月5日
2003 年 11 月 5 日
日一日と寒くなり、ストーブが恋しくなる季節となりました。そして今冬の暖房用燃料のことが気にかかります。今日は北国には欠かせない灯油についてお話しをしたいと思います。
9 月26日、十勝沖地震の発生により、出光興産北海道精油所(苫小牧)でタンク火災が発生し、44時間に亘り燃え続けました。これは、我が国の油貯蔵タンクの全面火災という事では初めて経験した大きな事故であります。その後、精油所では油漏れのあった39基の大半で油の抜き取りや、総合的な点検が進められております、稼働の見通しは立っておりません。北海道には新日本石油の室蘭精油所と、今回の火災の2ヶ所の精油所があります、石油元売り会社では、製品供給確保のため、それぞれが委託精製したり、韓国の精製会社S-オイル等からの製品輸入で何とか賄うよう努力しておりますが、北海道の灯油は需給のタイト化が現実化してきております。
昨年11月の国内の石油製品需要(燃料油合計)は2162万キロを超えており、平年よりは多い在庫水準となっております。国内の精製能力は一日570万バーレルであり、今回の火災の精製所の能力は一日14万バーレルでありますので、全体の3%弱です。北海道の冬期間の灯油消費量は、全国の26%を占めておりますので、この火災により製品保管(オイルタンク)が制限されたのと、国内各精製所からの輸送面で、特にタンカーの不足から大きな混乱が出てきております。それが北海道での灯油のタイト化の要因となっております。