2001-2002年度会長報告
第2790回例会会長あいさつ 2001.7.25
2001 年 7 月 25 日
第2790回例会会長あいさつ 2001.7.25
帯広と札幌の距離
明日の日本マクドナルド上場に期待が高まっていますが、明日はまた、札幌駅前にビックカメラが開店する日でもあります。人ごとではなく、帯広の商業界にかなり大きな影響を与えるでしょう。JRのダイヤ改正でスーパーおおぞら増発等、札幌との利便性が高まりました。開店と連動するのは間違いないところです。
ジェノバ・サミットと反グローバル化
22 日に閉幕したジェノバ・サミットでは、反グローバル化の旗を掲げて、NGOの大きなデモがあり、犠牲者も出しました。運動の担い手は左翼、労働組合、環境団体、人権団体、アメリカのラルフ・ネーダーのグループも参画したようです。理由は、グローバル化は多国籍企業による地球支配との見方です。労働者の権利が奪われたり、自然破壊が進んだり、結果的に大資本だけがますます大きくなるという危機感です。
首脳宣言には発展途上国への配慮が盛り込まれました。グローバル化は途上国にもメリットがあるとはっきり宣言していますし、マラリア、結核、エイズ対策や教育に努力することも明言しました。NGOの動きを反映させたのです。
十勝のグローバル化
北海道の産業の衰退は、魚かす、北洋漁業、木材、石炭、農業、いずれもグローバル化の影響でした。社会現象にまでなったユニクロは、中国など発展途上国の人件費の安いところで衣料品を生産するグローバル化の典型例ですし、音更へのトイザらス出店は、地域のおもちゃ屋さんに破壊的な打撃を与えました。
グローバル化の影響は我々の周りにも顕著で、幸せだけをもたらすのではなく、不幸せもまき散らしていることは事実なのです。何も発展途上国だけの問題ではないのです。
地域文化
我々に最も重要なのは地域文化の創造と確立であろうと思います。水がきれいだとか、天候が非常によいとか、日高山脈・大雪山を中心とする景観が素晴らしいとか、十勝の風土を生かした独自の文化により、豊かさを維持でき、グローバル化の影響を受けない訳です。地域の文化を活用する産業の創出が、我々に課された最も大きな課題でしょう。