2001-2002年度会長報告
第2794回例会会長あいさつ 2001.8.29
2001 年 8 月 29 日
会員の増強
8 月は会員増強月間です。リチャード・キング国際ロータリー会長は、各クラブ会員の1ヶ月1人、年間5人の純増との目標を掲げており、来年6月にバルセロナで行われるコンベンションで、会員増強優秀クラブを表彰するとも言っています。特に35歳から40歳くらいまでの年齢層をターゲットにと、具体的に話されており、我々もそこに焦点をあわせて増強を図らねばならないと考えます。
一方、会員の減少傾向は、ライオンズクラブや青年会議所も同じです。世界的な不景気が原因と思われます。
過去最悪の失業率
28 日、総務省が発表した7月の労働力調査で、完全失業率が5%に達しました。約330万人が完全失業とのことです。さらに企業が抱える潜在的な余剰人員が 446万人と言われています。とすれば失業率10%は、射程距離に入っているのです。戦後の1960年代、日本の失業率が1%であった時代が夢のようです。
ヨーロッパではドイツが13%くらい。ドイツは積極的に移民受け入れを行ってきた歴史があり、日本と状況は異なりますが、フランスなど他の国でも軒並み10%を超えています。
北海道はといいますと、完全失業率は6月の時点で既に6.5%。現状は7%近いと考えられます。5%としても20人に1人が失業している訳ですから、大変な状況です。最近、東芝が1万8800人のリストラを発表し、家電業界の大手すべてが人員削減を発表したことになります。ここにも景気後退の大きさが実感されます。経済学者らは、今年のGDP(国内総生産)の成長率はマイナス1.5%になるとも予想しているのです。
セーフティネット
政府は失業保険や、高齢者を雇用した事業主への補助制度など、いわゆる雇用のセーフティネットの体制を築こうとしています。
失業保険はだいたい6ヶ月間は給与の6割の額が支給されます。ただ倒産や解雇等で失業した場合は、45歳以上60歳未満ですと11ヶ月、60歳以上65歳未満ですと8ヶ月間給付されることになっております。いずれにしろ保険給付期間を伸ばせという議論が高まっており、1年間くらいには伸びてくる可能性はあります。
景気の見通し
私は今年の社内の年賀会で、不況期は続くだろうと話しました。経済の60年サイクル、コンドラチェフの波からいえば、1945年、敗戦から立ち上がって60年。すなわち2005年までは大変であるということです。
コンドラチェフは第1段階はインフレが徐々に進む時期、第2段階の高インフレ期、第3段階のディス・インフレ期、そして第4段階のデフレ期に入ると指摘しています。まさに現在はこのデフレ期。事実、物価は1982年をピークに、その後の18年間で約23%下落したと言われます。不況期はまだ数年間続くでしょう。
2007年に人口がピークを迎えますから、それまで市場の縮小はないでしょう。ただ、例えば衣服のカジュアル化、また、少子高齢化やグローバル化などの影響はさらに大きくなるとみています。
異業種交流を生かす
私どもの会社では、雇用を控えると同時に雇用の形態の変化を進め、経費削減などとあわせて、この時期を乗り切る体制を作りつつあります。皆さんの企業はいかがでしょうか。帯広・十勝も流通、建設業界の廃業や合併等がこの秋にかけて相当出てきましょう。我々は地域の経済振興戦略を相当しっかり立てねばならないし、各企業も脇を固めて経営にあたっていかねばなりません。
こういう時期にこそロータリークラブの存在価値があると思っています。異業種交流が根幹にあり、異業種の状況を掌握しながら進んでいかねばならないでしょう。