2023-2024年度会長報告
第3825例会 令和6年4月24日 会長報告 工藤 大輔 会長
2024 年 5 月 1 日
みなさん、こんにちは。4月のロータリーの特別月間、「環境月間」については第1例会でお話ししましたが、今から14年前に帯広RCが行った事業についてご紹介したいと思います。
2009-10年度、当時社会奉仕部門は特定分野を担当する委員会として地域環境委員会があり、小田会員が担当理事で、私が委員長を務めさせていただいておりました。帯広ロータリー・クラブ細則には、「この委員会は地域環境の質を調査、改善することによって住みやすい場所を築くよう心を配るものとする。」とありました。
そこで地域の自然を体験しながら環境への理解につながる事業ができないかと思い、計画・実施したのが、小学生を対象とした自然体験プログラムでした。
森林との共生・自然環境の保全を目的に活動する「NPOトカプチの森」のフィールドである音更町「音和の森」で共同開催、帯広RACとの合同で2010年4月17日に開催しました。
「NPOトカプチの森」は当時、川田工業の先代川田淳さんが理事長を務め、音更のこの場所と池田の森を維持管理しながら、自然体験・教育を行なっており、現在は川田章博社長が理事長を務めています。当時の活動は、炭窯を作って間伐材で炭を作ったり、「シラカバ樹液」を採取したり、森林探索・散歩、開拓の歴史を知る体験や紅葉をめぐったり、囲炉裏を楽しんだり、スキー大会を開催したりしています。
さてこの事業は当日約40名にご参加いただき、その模様は北海道新聞と十勝毎日新聞にも掲載されましたが、記事の中に「父親と参加した帯広栄小学校6年の工藤憲一郎君(私の息子ですが)は(シラカバから樹液が出てきて)すごいなあ。今日の夜はパーティーをするので、みんなで少しずつ飲みたいと話していた」と書かれていてびっくり…全く覚えていませんでしたが、その日の夜我が家はパーティーだったようです。
さて、今から21年前「大雪山に木を植えて海の魚をおいしくしよう」というイベントを、私と吉田会員が所属する「NPOあうるず」が開催しました。大雪山の一滴の水から始まる流れは川となり海につながっています。ということはその流域で生活する皆さんの、水への思いもつながっているはずだということで、大津の海から大雪山のふもとに住んでいる人々が途中から次々と十勝バスに同乗し、十勝三股に木を植える目的で集まり、交流しました。
植樹の場所は大雪山国立公園内、「十勝三股森づくり21」という会が活動している「ミユビゲラの森」というところです。そこは木の生育しない土場跡や森林を切り裂いたブル道がたくさんありますが、このような荒地から森林を復元するため、植樹する場所にシカ避け柵を回し、生態系を守るため回りの木から落ちて芽の出た苗木を移植し、そこにさらに柵を回すなど、気の遠くなるような作業でした。このような活動を地道に行なっている人たちがいることを実感したのを思い出し、紹介させていただきました。
国立公園といえば、「日高山脈襟裳国定公園」が今年、国立公園に指定されるそうですが、その名称に「十勝」を加えるかで議論になっているようです。十勝の人間としては名称に入るのは嬉しいですが、このエリアが持つ地形学的な希少性や生物多様性を守るために関係者や地域が一体となって保全することを議論するべきではないかと思います。
私たちは少しでもこの自然環境の重要性を知っておく必要があると思い、お話しさせていただきました。
最後に、自然体験プログラム開催に際して会員の皆様に出欠をとったところ、田中パストガバナーからの返信に「工藤委員長殿 本企画は大変結構なことと存じます。ロータリークラブ活動に変化を与え刺激になります。」とのメッセージをいただきました。この返信が奇跡的に残っていましたが、よほどうれしくて取っておいたのだと思います。
以上、会長報告とさせていただきます。
本日もよろしくお願いいたします。