2022-2023年度会長報告
第3778例会 令和5年4月19日 会長報告 竹川 博之 会長
2023 年 4 月 28 日
今日はロータリー活動の原点とでも言うべき例会についてその形式であったり、セレモニー等についてお話をさせて頂きたいと思います。内容は3つです。①国旗掲揚と国歌斉唱②ロータリーソング③点鐘の由来です。
まず①についてですが、第1例会には必ず国歌を歌う。そして例会場には国旗を掲げる。これは世界的にみて、とてもめずらしい習慣の様です。第2次世界大戦中、ロータリーの発祥地米国は敵国でありました。その米国由来の活動を実践しているロータリアンは、日本の敵であり米国のスパイ、あるいはフリーメイソンの組織ではないかとの嫌疑をかけられました。その疑いを晴らすため、日本国に忠誠を誓い、日本人であると言う事を示す為、国歌君が代を歌い、日の丸の国旗を掲揚する事となり、現在に至っているという歴史があります。日本と米国以外ではほとんどの国では国旗掲揚や国歌斉唱を例会で実施していない様です。
②ロータリーソングを私たちは、当たり前の様に歌っていますが、これにも歴史があります。1907年に青年弁護士ポールハリスがロータリーを創設した時、その目的は親睦・相互扶助にありました。その後、アーサーシェルドンが入会し、活動に社会性をもたせる事を許えて奉仕の必要性を強く発言し、活動しはじめました。黎明期のシカゴクラブでは親睦・相互扶助派と奉仕推進拡大派の2つの派閥が出来上がってしまい、毎例会場は激論の場と化してしまいました。そのとげとげしい対立の中その雰囲気を何とか和らげようと印刷屋のハリーラグルスが歌を口ずさむ事を始めました。これによって場が和み解散の危機から脱する事が出来たそうです。日本では指定されたロータリーソングを決められたタイミングで歌いますが、本来はそうではなく、例会のどんな時でも、又どの様な歌を歌っても構わないというのが、始まりであった様です。
③最後に日本の例会は点鐘で始まり、点鐘で終わるのが当然の事として行われています。私が会長就任時に先輩から留意されたのが点鐘を始まりと終わりの2回たたく事を忘れない様にでした。会長として最も恥ずべき事であると注意されました。では、そもそもこの点鐘とは何でしょうか?点鐘は14世紀、15世紀の大航海時代未知、未開の地に向けて船出した際、船乗りの見張り役の交代を知らせる為にたたかれた道具であった様です。30分ごとに交代し、点鐘の始めを12時半に1回たたき、13時に2回たたくという船乗りの伝統的な習慣を日本のロータリーが取り入れたのだと言われている様です。国際大会では開会宣言で始まり、蛍の光で終わるのが通例で、点鐘はない様です。点鐘をたたいて鳴らすのは、日本ぐらいでヨーロッパ、東南アジアでは例会の始め、終わりがよくわからない例会も多い様です。米国の一部のクラブではオークションの様に、木版を木槌でコンとたたくのを習慣としているクラブもある様ですが、それは少数派です。以上、点鐘の由来をお話させて頂きました。88年の歴史を持つ帯広クラブであたり前に実施している習慣が実は世界的には珍しかったり様々な歴史的背景を持っている事に思いをめぐらせるべきだと思います。
以上で会長報告を終わります。