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2011-2012年度会長報告

第3273例会 平成23年10月26日 会長報告 加藤維利会長

2011 年 11 月 2 日

加藤維利会長
 先日の23日の読売新聞で、24日の「世界ポリオ・デー」に合わせて政府がパキスタンとアフガニスタンに対し、約10億円のポリオ撲滅のための無償資金協力を行う方針を決め、28日に閣議決定をするという記事が載っていました。パキスタン、アフガニスタン、インド、ナイジェリアの4カ国で特に流行していて、パキスタンでは洪水の影響で2010年に約120件の症例が報告されており、深刻化しているそうです。

 我々ロータリアンも少しでも協力したいと思います。
 皆さんご存知のように、ロータリーには二つの奉仕理念=奉仕哲学があります。1つは“He profits most who serves best”で表される職業奉仕の理念。もう1つは“Service above self”で表される社会奉仕の理念です。この二つの理念は1916年あたりに一対のスローガンとして、ロータリーに取り入れられました。その社会奉仕の考えは草創期どうだったのかを少し話させていただきます。
 1906年1月に制定された、シカゴ・クラブの最初の定款の目的には「親睦の充実」と共に「事業上の利益の促進」が謳われています。これは会員同士の「相互扶助」が積極的に行われていた時期であります。
 その当時、シカゴ・クラブには統計係という役割があり、当時2週間に1回の例会の間に会員同士がどんな取引をしていたか発表する役割でした。大きな取引があったら皆が拍手をして喜び合い、取引が少なかったら、次は頑張ろうと励ましあったという記録が残っているそうです。この当時の時代背景は買い手が用心する事が鉄則の時代だったため、ロータリアン同士の取引はお互い信頼ができたというのが、「互恵取引」が盛んだった理由です。
 対社会的な奉仕活動の概念が正式にロータリーに導入されたのは1906年でした。
 このとき、鋳物業のフレデリック・トゥイードが、いつも特許申請を依頼していた特許弁理士ドナルド・カーターにシカゴ・クラブへの入会を勧めたところ、相互扶助ばかりで社会に対する奉仕活動をしない組織は世の中に受け入れられないと入会を断りました。この考えに共感したトゥイードは入会して内部からの改革をするよう説得し、カーターは入会となりました。
 この年の12月に定款の第三節「シカゴ市の最大の利益を促進し、忠誠心を市民の間に広げること。」という条文が加わりました。そして、この二人の発案で行われた対社会奉仕活動の実践例が1907年に行われた、有名なシカゴ中心部の公衆便所設置活動です。しかしこの地区の醸造組合と百貨店組合の妨害により、市内2ヶ所に公衆便所が完成したのは、1909年になってからでした。これがロータリーの最初の社会奉仕活動といわれています。
 ポールはロータリー創立3年目の1907年に会長に選ばれました。このときポールは3つの抱負を持っていました。第1はシカゴ・クラブをもっと大きくすること。第2はこの運動を他都市にも広げること。第3はクラブの目標として、社会奉仕を強化して行くことでした。
 1908年の11月にやっと第2のロータリークラブ、サンフランシスコ・クラブが誕生しました。
 その後の社会奉仕活動は活発になりますが、この社会奉仕の実践をめぐって、理論派と実践派が二つに分かれ、激しい対立が続きました。1923年のセントルイス大会においてこの対立を解決したのが有名な決議23-34というドキュメントです。手続き要覧では社会奉仕の項目に入っていますが、すべての奉仕活動の指針であることを理解しなければなりません。
 決議23-34については、いずれ話しをいたいと思います。
 ところで、1905年のシカゴ・クラブの初代会長はシルベスター・シールがなり、ポールとは終生の友人でした。現在も二人のお墓は仲良く隣同士に並んでいるそうです。
 しかし、ガスターバス・ローアは経済的な理由から退会したあと、不慮の事故で亡くなっています。また、ハイラム・ショーレーもやむを得ない事情で退会していますので、この二人は最後までロータリーには在籍しませんでした。ちなみに1906年の二代目会長は第二回目の会合から参加した楽器製造業のアルバート・ホワイト。三代目がポール・ハリスです。
 この頃の色々ないきさつや、出来事が沢山の文献に載っています。今回は社会奉仕に関するさわりということで、会長報告とさせていただきます。