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2010-2011年度会長報告

第3227回例会 平成22年10月27日 会長報告 後藤 裕弘 会長

2010 年 11 月 12 日

後藤裕弘会長

 昨日の十勝毎日新聞にTPP協定に日本が参加を検討していることがトップ記事として載っていました。TPPとは「環太平洋パートナーシップ」という協定で、チリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイが結んでいる自由貿易協定で、例外のない100%自由貿易を実現するという協定です。今ここにアメリカ、カナダ、オーストラリアなど10カ国以上が加盟しようとしています。


 この協定にはコメをはじめ、農産物の例外も一切認められません。日本の食料自給率は40%と言われています。この数字には年間900万トンという廃棄された食料(コメ消費量の1.5倍)も影響していますが、100%を超える都道府県は北海道、青森、岩手、秋田、山形県しかありません。北海道は192%、特に十勝は1,100%と言われております。もし、関税の掛からない食糧輸入が始まったらどうなるでしょうか。

 私は、コメの事しか良く分りませんが5年程前にオーストラリアの農場を視察に行きましたら、従業員わずか5人の農業会社で8,000haの農場を経営しておりました。ちなみに8,000haとは長沼町の全水田に匹敵します。日本に運んだら、運賃も含めて10kg350円位と言われました。旨みは勿論低めですが特に問題は無く頂く事ができました。現在、関税700%掛かっているコメが10kg350円で輸入され、末端価格が仮に1,000円としても国産の1/3以下です。そうなれば多くの人が輸入米に切り替わることになるでしょう。コメに限らず殆どの農産物が輸入品になったら日本の農業は壊滅し、十勝の経済は完全に困窮してしまいます。

 前原外相は、「日本のGDPにおける第1次産業の割合は1.5%だ。1.5%を守る為に98.5%のかなりの部分が犠牲になっているのではないか。」と述べたそうです。そんな経済だけで良いのでしょうか。OECDによると、2025年には世界を深刻な食糧難が襲うと予想されています。これは人口の爆発的な増加や、新興国の経済発展による需要の増加が原因です。2050年、世界人口が100億になったら、地球上のあらゆる耕作可能地帯で作物を作っても間に合わないと言われております。そうなると、これまで食糧を輸出していた国が輸出を渋り、食糧を輸入できない日本は大変な事になります。そんな時、札ビラを切って無理に輸入し、貧しい国から食糧をむしり取って食べる事が許されるでしょうか。私は、この協定への参加をとても怖いと思っているところです。

 以上、もしかすると部分的に勘違いがあるかもしれませんが、私の考えとして会長報告とさせて頂きます。