2001-2002年度会長報告
第2789回例会会長あいさつ 2001.7.18
2001 年 7 月 18 日
第2789回例会会長あいさつ 2001.7.18
変革期と市民セクター
参議院選挙投票を11日後に控えてかしましい状況ですが、変革期にあるということ。変化は世界的・歴史的にみて国の財政逼迫からくるのが世の常で、まさに日本もその状態にあるのです。
リチャード・キング氏はNPO、NGO、NROの世界最大の組織がロータリークラブだと発言されました。IT、特にインターネットが世界を変えていますが、もう一つ、市民セクターが時代の変革に重要な役割を果たしつつある。米国ではNPOなどの市民セクターが国家予算の約三倍の金額を持ち、社会を変えているのです。
民主主義の欠点を補うNPO
なぜNPOなのか。民主主義は・多数決ゆえの衆愚に陥りやすい・コンセンサスを得るために時間がかかる・判断の基準が現在志向で未来志向が不足、という3大欠点を抱えていると私は思います。それを補うものがNGOやNPOです。組織が小さく、リーダーシップでどんどん事業を進められる。政府や自治体、企業もNPOを相当活用してくるであろうと予想しています。
十勝におけるNPO法人は、現在20団体。北海道の中でも一地域としては最も多く、さらに5団体が認証を待っている状況です。市民セクターの意欲、市民意識が高い証左と思います。十勝は屯田兵ではない民の開拓を進めてきた歴史に証明されているところでもあります。
例えば私どもが関係している十勝グラウンドワークトラストも8月か9月には認証されるとみられます。グラウンドワークは、英国で10年余り前に始まった環境改善運動で、環境改善と教育の側面で大きな効果を上げています。十勝グラウンドワークトラストも、登記後は大々的に環境改善活動を進めます。
市民セクターが日本社会を変える
今後、市民セクターに税金配分がいくことで、行政の責任は小さくなり、市民の責任や行動のウエートが高まるでしょう。政府はかなり厳しい制限を加えながらも、企業などのNPOへの寄付等を経費として認める方針を打ち出しつつあります。日本でも市民セクターの動きが大きくなり、国や自治体の運営そのものが市民セクターのもと、変化していくと予測されるのです。
ロータリークラブ会員の世界的な減少が始まっています。理由は景気のほか、ボランティア団体すなわちNPO等との対峙の中で、ロータリーの存在が薄れつつある点です。若者の理解が得られないのは、若者たちが自らボランティア組織、NPOに参加する動きが背景にあり、今後のロータリーはそれを踏まえた上での広報活動を展開していく必要がありましょう。