2001-2002年度会長報告
第2803回例会会長あいさつ 2001.10.31
2001 年 10 月 31 日
年次プログラム基金への寄付額が地区内第1位
RI から報告がありました。帯広ロータリークラブの昨年度の年次プログラム基金への寄付額が、2500地区内で第1位、一人当たり平均で第3位になりました。金額は22130ドル、一人当たり178ドルです。深く感謝申し上げるとのことで、バナーが届いております。ご覧ください。これは鈴木前会長のもとで達成した事績です。
野菜を食べると糖尿病になる
今日は健康診断の例会。日ごろの摂生の度合いが分かるため、私も少しおののいているのですけれども、それにしましても成人病といいましょうか、生活習慣病が非常に多くなっています。私が最近得た一番ショックな情報は、野菜を食べると糖尿病になる、ということなのです。
菜食主義というのは健康のシンボルのようにいわれてきましたし、糖尿病の方々には野菜中心の食事を奨励されてきたのではないかと思います。私どものクラブにはお医者さんが9人いらっしゃるのに、私がこういう話をするのはどうかとも思ったのですが、一つの情報ということで聞いてください。
実は月刊現代の3月号で、フリージャーナリストの林克明さんという方がリポートしております。糖尿病は血糖値が上がり、たくさんの余病を併発することで恐れられています。網膜症で目が見えなくなったとか、抹消神経の障害だとか、腎障害が起こるとかですね。いまや糖尿病患者は10人に1人、つまり当クラブにも10人か11人は糖尿病の方がいらっしゃることになります。その糖尿病にはインスリン依存型と非依存型の2種類があるそうですね。依存型はインスリンがほとんど出てこないために起こり、非依存型は、成人病といいますかお年を召し、インスリンが十分に作られないという形なのだと思います。なんと野菜を食べると、インスリン依存型糖尿病を誘発するというのです。
犯人は硝酸塩
全部の野菜が駄目という訳ではなく、誤解しないでほしいのですが、原因は硝酸塩なのです。アメリカのコロラド保健科学センターのコストラバ博士が「メディカル・トリビューン」に1996年に報告していますが、日本では顕在化していませんでした。
硝酸塩は窒素肥料のことで、窒素肥料体硝酸塩というものなのです。つまり糖尿病を誘発するのは窒素肥料をたくさん与えた野菜、基本的には促成栽培をした野菜です。例えばホウレンソウは露地栽培では60日以上かかるのが、促成栽培だと半分の30日でできます。窒素肥料をどんどん与えて育てているのです。
実は、東京都市場衛生検査所がここ二十数年来、野菜に含まれる硝酸塩の実態についてデータを取っています。これによりますと、驚くことにチンゲンサイは、 1キログラムあたり最大値で16000ミリグラム。ヨーロッパでは、1キログラムあたり硝酸塩を2500ミリグラム以上含むと汚染野菜とされ、流通させてはいけないことになっている。また硝酸塩は4グラム摂取すると致死量とWHOでは規定している。
つまり、このチンゲンサイを250グラム食べると、摂取した硝酸塩が致死量に達するという恐ろしさです。これは最大値ですが、平均値でも3920ミリグラムです。そのほか含有量の高い野菜は、パクチョイで最大値が11000ミリグラム、平均値が8200ミリグラム、ダイコンが最大値で9800ミリグラム、根菜類が意外に蓄積するんですね。あと、コマツナの最大値は9000ミリグラム、タアサイが同8500ミリグラム、ホウレンソウは最大値が6200ミリグラムで平均値が2403ミリグラムですから、ヨーロッパの基準値でいうとホウレンソウもほとんどが流通しては駄目だということになります。それほど危ない。
効率的な栽培のひずみ
ではどこでこういう野菜を作っているのでしょう。促成栽培が多いところ、これは畑への肥料投下量が非常に多い。それから畑の耕地面積の中で、野菜の比率が 10%以上のところ。それから畜産地帯です。ふん尿の中にもこの窒素硝酸塩がたくさん含まれているのです。十勝は野菜の面積の比率はそう高くありませんが、まさに畜産地帯です。十勝の人たちはきちんと意識していかねば危険だということです。硝酸塩は胃、消化器に入ると、肉や魚に含まれるアミンという物質と結びついて、ニトロソアミンという発がん物質になります。ニトロソアミンはインスリンを作るベータ細胞を傷つけてしまい、結果的にインスリン不足を招き、インスリン依存型糖尿病になるということなのです。
糖尿病のみならず、腎臓にも悪い。日本で腎臓透析患者が多い都道府県は、上から順に、鹿児島、大分、熊本、宮崎というデータが出ております。なぜ多いかを分析したところ、前段でお話ししたように、畑作の耕地面積の10%以上が野菜である、それから大規模な養鶏団地や畜産を営んでいる、それともう一つ、耕地面積当たりの収入が、全国平均より上、つまり促成栽培でどんどん回転させ、いわゆる効率のよい経営をしている。4県ともほとんどこの条件に適合するのです。
国の規制は期待できない
ところが、日本では硝酸塩について一切規制をしていません。アメリカもヨーロッパも規制しています。厚生労働省も、農水省も、まったく無反応なのです。エイズもそうだったのですが、リスク管理について日本の官庁の対応は非常にお粗末、すべて手遅れです。国が規制していないから安全とは決して言えません。生産する側もまったく無頓着ですから、自己防衛するしかないという現状です。
野菜は十勝産、いわゆる露地栽培で時間をかけた野菜を食べていれば安全です。冬場は気をつけた方がよいでしょう。ホウレンソウなどは冬場、本州から入ってまいりますが、ひょろひょろとした長いものは危険です。葉がきちんと広がった丈夫なホウレンソウだとなんともないのですが、我々がよく食べる野菜であるだけに、注意が必要です。
一方、帯広畜産大学ではこの調査をきちんとしているのです。高橋潤一教授がお詳しく、私どものPRになるかもしれませんが、北海道ホテルや十勝ビールでは、扱う野菜をすべて畜大に検査に出しています。何と、高くていいと思われていた野菜が、検査薬で紫色に染まっていくのです。びっくりしました。とてもじゃないが食べられないものだったと分かり、すべて排除しました。新たに野菜を入れる場合は、すべて検査の上、料理するという方向に変えました。
商売をする者として、また生活者としても、自己防衛が必要な段階です。野菜を好きな方は、ぜひ選別されながら食事をされることをお薦めします。私なりに得た情報と体験に基づいてお話しいたしました。何かの参考になればと思います。