2005-2006年度会長報告
第2982例会 星屋 洋樹 会長報告 2005年7月20日
2005 年 7 月 20 日
今月は識字率向上月間であります。皆さんもご存知の事と思いますが、少し識字について述べさせていただきます。
識字とは日常生活に必要な読み、書き、計算ができる事です。日本は徳川時代から寺子屋等があり、世界に冠する識字国です。
しかし非識字者は世界に約10億人、成人では8億6000万人がいます。これは全世界の15歳以上の大人の約4分の1にあたりまして、非識字者の99%は途上国に住み、その中でもアジアは74%、アフリカでは20%となります。また、全体の3分の2が女性です。
現在世界で1億3000万人の就学年齢児が学校に行けません。1997年のRI理事会では7月を識字率向上月間と指定しました。国連においても緊急課題として識字問題を採り上げ、2003~2012年の10年間を「世界識字の10年」に指定しています。
ロータリーでは読み書きの出来ない人を救うために、最初にタイでオーストラリアのロータリアンである、リチャード・ウォーカーという、クィーンズランド大学教授とタイのソワラク・ラタナビッチ博士が開発した「語学力集中研修講座」を4つの学校で着手し、そのプロジェクトが成功いたしました。
1982年から1991年の間にこれをさらに発展させ、400の学校に普及させるために、3-H補助金として(ヘルス、ハングリー、ヒューマンティー)680,000ドルのロータリー財団補助金が投入されました。タイでの最初のライトハウス識字能力向上プロジェクトの成功を基に、バングラデシュ、ラオス、南アフリカ、インドネシア等で行われています。
ロータリーのライトハウス識字能力向上プロジェクトは発展途上国において多数の非識字者を組織だった教育をすることによって、世の中を変える力を持っています。
非識字は、3つの点で人類の前途を暗くしているといわれています。
第一は、先進国の高度技術の進歩と発展途上国の貧富の差の拡大によって国際紛争がおきています。
第二は、人口問題です。人口増加を抑制する最も有効なのは母親たちの教育にあるといわれています。
第三は、エネルギー問題と地球の環境保全です。非識字のために必要な環境教育を受けることができません。
すなわち国際紛争、人口問題、環境破壊という21世紀が直面する最大の危機を解決するためにも、識字率向上が必要なのであります。
以上、会長報告といたします。