2023-2024年度会長報告
第3819例会 令和6年3月6日 会長報告 工藤 大輔 会長
2024 年 3 月 14 日
みなさん、こんにちは。ロータリーの特別月間、3月は「水と衛生月間」です。2014年10月RI理事会は、地域社会における安全な水の公平な提供、衛生設備や衛生状況の改善とそれらを持続するためのさまざまな支援や、「水と衛生」に関連した仕事に従事することを目指す専門職業人のための奨学金支援を強調する月間としました。
きれいな水を利用できることは基本的な人権です。しかし世界には、適切な衛生設備が利用できない人が25億人、安全な飲み水が得られない人が7億4800万人おり、さらに劣悪な衛生環境と不衛生な水を原因とする病気で毎日1400人の子どもが命を落としています。
ロータリーはこれまで何十年にもわたり、井戸を掘り、配管工事を行い、浄水設備を整え、流し台やトイレを設置するなどして、人びとが安全な水を利用できるよう支援してきました。
しかし最大の課題は、このような設備が整えられた後にあります。それは、はじめにプロジェクトが成功してもゆくゆくは失敗に終わるケースが頻繁にあるからです。
設備当初は喜ばれても、地元住民の当事者意識、教育、持続可能性が欠けていたり、また多くの場合、地域社会が自立して長期的にプロジェクトを管理するのに十分な支援がありませんでした。
私たちは地域社会とそのリーダーや専門団体と密着して活動する必要があり、さらに重要なのは、地域社会のニーズを理解することです。地域社会に何が必要なのかを憶測で判断してはなりません。
現在、他国で実施するプロジェクトでは、補助金を申請するクラブに対し、プロジェクトの計画に地元住民が関わったことを証明することを義務づけています。いずれ地域社会の人びとが自力で継続していけなければ、そのプロジェクトは成功したとは言えないからです。
ロータリー財団は2013年から、世界各地で数多くの「WASHプロジェクト」に投資しています。財団からの
補助金や募金活動で得た資金を元に、ロータリアンが浄水、衛生教育、仮設トイレの建設、廃棄物管理を支援しています。しかしながら衛生施設の設置だけでは、「WASHプロジェクト」の長期的な成功は望めません。健康的な習慣を定着させることも重要です。適切な衛生習慣によって、コレラ、赤痢、肺炎などの病気を50%近く減らすことができます。石鹸を使った手洗いだけで命を救うことができるのです。
ここで改めてご紹介するのが、帯広RCが共同申請で行ったのが、2022年竣工の「マレーシアクリーンウォータープロジェクト」です。
帯広からマレーシアのクアラルンプールまで約6,200km、そこからさらに奥地へ入ったテメルローの先住民族オランアスリの住む村に水道を引く事業です。
2022年9月24日、完成セレモニーに小沢当時国際奉仕委員長と栂安会員、飛岡会員が参加されております。
ここで重要なのは、申請クラブ以外に現地のテメルローRCと周辺のクラブが協力しているいうことです。初期投資したままで終わらないよう、地元のクラブや地域住民が関わることで持続可能な仕組みとなります。
詳細は、第3779回例会会報を今一度ご覧ください。
干上がった川の底にかすかに残る水を集める人々の姿、タンクに入れた水を20キロもの距離を運ぶ子供たち。2022年8月、ほんの一年半前のマダガスカルの現状です。
1905年2月23日にシカゴロータリークラブが発足し、シカゴに最初の公衆トイレを作ったロータリーは親睦と相互扶助の集まりから、利他の精神「奉仕」へと活動を広げました。まさに「水と衛星」はロータリーの奉仕の原点とも言えます。
以上、会長報告とさせていただきます。本日もよろしくお願いいたします。